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頻発する盗撮の状況 – トイレでの盗撮

頻発する盗撮の状況

弊所がご相談や弁護のご依頼をいただく盗撮事件、ニュース等で取り上げられる盗撮事件において、よく見られる盗撮の状況を紹介します。似た状況で盗撮を行い、警察に逮捕・検挙されてしまった方やそのご家族の方は、お一人で悩みを抱えず、盗撮事件に強いアトム法律事務所の弁護士にご相談下さい。

トイレでの盗撮

トイレでの盗撮事件の事例

女子トイレを小型カメラで盗撮 非常勤講師逮捕

勤務先の中学校のトイレで女子生徒を盗撮したとして、埼玉県警浦和東署は、児童買春・ポルノ禁止法違反(製造)と建造物侵入の疑いで、同校の元非常勤講師で無職のX容疑者(25)を逮捕した。容疑を認めているという。逮捕容疑は、当時勤務していたさいたま市内の中学校の女子トイレに侵入、個室内に小型カメラを仕掛け、女子生徒1人を動画撮影したとしている。X容疑者は自己都合退職した。署によると、トイレを利用しようとした別の女子生徒がカメラに気づき、学校が署に届けた。署が映像を精査したところ、容疑者の特定につながる動画が確認されたという。被害者以外の複数の女子生徒の姿も映っていた。
(産経新聞 2021年)

男女共用トイレを盗撮 49歳男性を逮捕

保育施設のトイレで女性を盗撮したとして、群馬県警高崎署は、同県高崎市、団体役員の男(49)を県迷惑防止条例違反の疑いで逮捕した。発表によると、男は同市内の保育施設内の男女共用のトイレに小型カメラを仕掛け、20歳代の女性2人の着替えの様子を撮影した疑い。容疑を認めている。付近の防犯カメラの映像などから容疑が浮上した。
(読売新聞 2021年)

トイレでの盗撮の違法性

トイレでの盗撮は、不特定多数者に広く開放されている公衆便所におけるもの、建物の利用者など特定の者に解放されているトイレにおけるもの等が考えられます。前者は、各県が定める迷惑防止条例(但し、取締規定を設けていない都道府県もあります)、軽犯罪法(覗き見)や、刑法(建造物侵入罪)により取締が行われ、後者については軽犯罪法や刑法により取締が行われているようです。
まず、東京都迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)に基づいて、ご説明します。

(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)
第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
二 公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること。
三 前二号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。
第八条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
二 第五条第一項又は第二項の規定に違反した者(次項に該当する者を除く。)
2 第五条第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定に違反して撮影した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
7 常習として第二項の違反行為をした者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
8 常習として第一項の違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。

東京都迷惑防止条例では、「公衆便所」において、盗撮することを取り締まっています。トイレにおける盗撮の類型は、個室ドアの下からスマホ等を差入れ、又は、個室内の備品等にデジカメを仕込み、あるいは個室の上から、個室内部で用を足している女性の姿態を撮影するものが考えられます。見知らぬ男性に、自分の極めてプライベートな部分・行為を密かに撮影されるということは、これを知った女性を極めて強く羞恥させ、不安を覚えさせる行為といえます。

次に、軽犯罪法、刑法(建造物侵入罪)に基づいて、ご説明します。

(軽犯罪法)
第一条  左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三  正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

軽犯罪法上は、便所の種類に限定がない為、便所の盗撮一般を取り締まることができます。しかし、法定刑が拘留又は科料しかなく、迷惑防止条例の場合と比して著しく刑が軽いといえます。

(住居侵入等)
第百三十条  正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

本罪は、盗撮行為そのものではなく、盗撮のため、または、盗撮用カメラ等の設置、あるいは回収のための便所への侵入行為を取り締まることができます。例えば、カメラに映っていた映像が不鮮明で被害者が特定できない等の場合、迷惑防止条例での立件は難しいのですが、住居侵入罪で対処することができます。

盗撮事件がトイレで頻発する背景

トイレは、しばしば盗撮事件が生じている場所です。警察庁が令和二年に公表した警察白書によると令和元年の盗撮の摘発件数は3,953件で、そのうちゲームセンター・パチンコ店での盗撮は151件に上ります。(全体の3,8%)。但し、これは迷惑防止条例で検挙された人数の統計です。トイレ盗撮を取締まる条項をもたない迷惑防止条例があること、軽犯罪法、建造物侵入罪で検挙されている事件が相当数あることを考えると、トイレでの盗撮事件の件数はもっと多いと考えられます。
トイレで盗撮事件が起こりやすいのは、どうしてでしょうか。それは、トイレが、(1)被害者となり得る女性が集まる、(2)盗撮の目的である行為が集中的に行われる、(3)盗撮の手段となる道具を用いやすい、場所だからだと考えられます。

(1)トイレは被害者となり得る女性が集まる場所

当然のことのようですが、盗撮事件が生じるのは、盗撮の対象となる女性がいる場所です。
公園や街頭、駅にある公衆便所(以下、「便所」「トイレ」は女性用の個室をいいます。)であっても、ショッピングモールのトイレなど、特定の者に解放されているトイレであっても、その利用者数は、その施設の利用者数に比例して増大します。そして、トイレの盗撮を行う者は、不特定多数の女性の盗撮を目的とする傾向があります。当然のことながら、女性用のトイレは女性しか利用しません(幼児を除く)ので、トイレには被害者となり得る女性が集まる場所と言えます。

(2)トイレは盗撮の目的である行為が集中的に行われる場所

トイレの盗撮を行う者の目的は、女性の排尿・排便行為の様子を撮影することにあると考えられます。
トイレは基本的には用便目的のためにのみ用いられる場所であり、利用者は入室後速やかに用便を行い退室します。従って、トイレは盗撮の目的である行為が集中的に行われる場所であると言えます。

(3) 盗撮の手段となる道具を用いやすい場所

トイレは、一般的に男性用と女性用の区画が厳格に分かれており、一般の男性が女性用のトイレの区画に侵入すれば社会的には「変質者」、刑法上は建造物侵入罪を犯した者として扱われます。そのため、トイレの盗撮は困難な犯罪であるとも考えられます。
しかしながら、次の通り、トイレは盗撮の手段となる道具を用いやすい場所でもあるといえます。①早朝・深夜など、トイレの利用者がまったくいない時間があるため、女性に気づかれずに小型カメラ等を設置することが可能であること、②個室であること、女性しか利用しないこと、トイレは日常的に使うものであることから、トイレで盗撮が行われることに対する警戒心が薄いと考えられること、③基本的に、用便の際の姿勢は共通であるため、小型カメラ等の位置を調整する技術が必要ないこと、④一般にトイレ内には防犯カメラがなく犯行の証拠が残りにくいこと、⑤自動で撮影できる小型カメラ等を用いれば、盗撮の際に現場にいる必要がなく、捕まるリスクが低いこと。


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