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頻発する盗撮の状況 – 会社での盗撮

頻発する盗撮の状況

弊所がご相談や弁護のご依頼をいただく盗撮事件、ニュース等で取り上げられる盗撮事件において、よく見られる盗撮の状況を紹介します。似た状況で盗撮を行い、警察に逮捕・検挙されてしまった方やそのご家族の方は、お一人で悩みを抱えず、盗撮事件に強いアトム法律事務所の弁護士にご相談下さい。

会社での盗撮

近年、会社内の女性用トイレ、更衣室等において、スマートフォンや小型カメラ等を用いて、女性従業員の用便の様子を撮影・録画したとして問題になるケースが増えています。

会社での盗撮事件の事例

福岡県の郵便局長が郵便局内の女子トイレで盗撮をしようとしていたとして、日本郵便が解雇していたことがわかった。佐賀、大分両県でも郵便局長による不祥事が見つかっており、近く処分が出る見通しだという。同社関係者によると、福岡県の40代の局長が小型カメラを使って女子トイレ内を盗撮しようとしていた。同社によると、局長は懲戒解雇処分となった。トイレは従業員用で、顧客の被害はないとしている。
(朝日新聞 2021年)

※以上は事実に基づくものですが、プライバシー保護の為、改変を加えています。

会社での盗撮の違法性

ここでは、会社内の女性用トイレでの盗撮の違法性について述べます。
盗撮は、一般的に各県が定める迷惑防止条例により取締が行われています。しかし、会社内の女性用トイレは、同条例上の「公共の建物」又は「公衆便所」に該当しないため、同条例の適用はありません。そこで、軽犯罪法(覗き見)か刑法(住居侵入)により取締が行われることになります。以下では、軽犯罪法、刑法の条文に基づいて、ご説明します。

(軽犯罪法)
第一条  左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三  正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者

軽犯罪法上は、迷惑防止条例とは違い、場所の公共性が要求されないため、トイレの盗撮一般を取り締まることができます。ただし、法定刑が拘留又は科料しかないため、同条例の場合(地域差がありますが、常習でない場合は概ね6月以内又は50万円以下の罰金です)と比して著しく刑が軽いといえます。

(住居侵入等)
第百三十条  正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の懲役又は十万円以下の罰金に処する。

本罪は、侵入行為を対象とする為、盗撮のため、または、盗撮用カメラ等の設置、あるいは回収のための女性用トイレへの侵入行為等を取り締まることができます。なお、同じ会社内の男性社員であっても、正当な理由がない限り女性用トイレへの立ち入りは禁止されており、侵入した場合は建造物侵入罪が成立する可能性があります。

盗撮事件が会社で起きる背景と露見した場合の処分

会社内で盗撮事件が起きる背景としては、(1)盗撮用の小型カメラ等をしかけやすい、(2)被写体になりうる女性が把握できる、(3)盗撮が気づかれにくい場所であることが考えられます。

(1) 会社内は、盗撮用の小型カメラ等をしかけやすい場所

会社内は、従業員や取引先業者等、不特定多数の人間がおり、いつ誰が訪れるかわからない場所と言えます。しかしながら、小型カメラを仕掛けやすい時間帯があります。
業種、業態、会社の経営方針等にもよりますが、一般的には、就業時間を9時〜18時と定めている会社が多いように思われます。このような場合、就業時間の1〜数時間程度前の時間帯は従業員が出社していないか極めて少なく、かつ、そのような時間に取引業者がいることは無いため、小型カメラ等を仕掛けやすいといえます。万が一、仕掛け終わった後に他の従業員と会ったとしても、早出をする必要があったと説明することが可能です。
また、就業時間後は出社してくる従業員がいないため、全員が帰ったことを確認した後は危険を冒さずに作業ができるといえます。

(2) 会社内は、被写体になりうる女性が把握できる

通常、就業しているフロアに女性用トイレがあれば、女性はそのトイレを利用します。そのため、犯人はどのフロアに仕掛ければどの女性の画像・映像が撮れるのかあらかじめ把握することができます。好意、嫌悪の感情、あるいは脅迫のために特定の女性従業員の画像・映像が欲しいと考えた場合、会社内のトイレは、目的達成のうえで都合のよい場所であるといえます。

(3) 会社内は、盗撮が気づかれにくい場所

会社内の従業員は、会社の業務のため一丸となって働くという点で、一つのチームであり、従業員の間には一定の信頼関係が醸成されるのが通常であると考えられます。そのため、そのような男性従業員が、家族や同性ですら知られたくない用便中の様子という自分の極めてプライベートな姿の画像・映像を、機材を用意して密かに撮影するということを想像すらしない(あるいは想像したくない)のが通常です。また、他の女性従業員も利用していることから、意識的あるいは無意識的に経験則上安全であるという判断を行っていることも考えられます。

(4) 露見した場合の処分

盗撮が露見した場合、相当厳しい処分が予想されます。会社にとって盗撮は、次の通り極めて悪質な行為であるからです。①女性従業員全員に、不安や屈辱感等を与え、労働意欲が低下する。②会社の管理能力に対する信頼が失われる。③醸成されてきた従業員間の信頼関係が破壊される。④①〜③を踏まえ、当該男性社員に対する会社、女性従業員からの信頼が失われる。⑤模倣犯予防のため、厳しい態度を示す必要がある。
雇用契約は、信頼関係に基づく継続的契約ですので、このような事件を起こした従業員に対しては、速やかに懲戒解雇処分をするか、辞表を出させるなど、契約関係を終わらせることを考えるのが通常です。中には、これに加えて犯行に用いられた小型カメラの破壊、データが保存されているかもしれないパソコンのハードディスクの破壊を要求することもあるようです。


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