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頻発する盗撮の状況 – 駅での盗撮

頻発する盗撮の状況

弊所がご相談や弁護のご依頼をいただく盗撮事件、ニュース等で取り上げられる盗撮事件において、よく見られる盗撮の状況を紹介します。似た状況で盗撮を行い、警察に逮捕・検挙されてしまった方やそのご家族の方は、お一人で悩みを抱えず、盗撮事件に強いアトム法律事務所の弁護士にご相談下さい。

駅での盗撮

駅での盗撮事件の事例

埼京線電車内で盗撮  立憲民主党職員を逮捕

立憲民主党の男性職員が、JR埼京線の電車内で女性を盗撮した疑いで逮捕されていたことが分かりました。関係者によりますと、立憲民主党の50代の男性職員は、埼玉県内を走行中のJR埼京線の電車内で向かいに座っていた女性を携帯電話で盗撮したとして、県の迷惑防止条例違反の疑いで逮捕されました。職員は当時、酒に酔っていたということで、「盗撮の意図はなかった。酔っ払ってスマホをいじっていたら、偶然撮影してしまった」などと話しているということです。警察は、職員を処分保留のまま釈放しました。立憲民主党は「党の調査に対し、本人が迷惑行為を認めた」として、職員を停職1か月の処分としました。枝野代表は会見で、詳細は明らかにしませんでしたが、「大変、被害者の方には申し訳ない」などとコメントしています。
(TBSニュース 2021年)

駅構内で盗撮 公務員男性を懲戒処分

東京都青梅市は、盗撮行為をしたとして、一般事務職の男性主事(29)を、同日付で減給5分の1(6か月)の懲戒処分にしたと発表した。発表によると、男性主事は帰宅途中、都内の駅構内のエスカレーターで女性のスカートの中をスマートフォンで撮影したところをそばにいた人に見つかり、警察に事情聴取された。被害者とは示談が成立しているという。
(読売新聞 2021年)

書店でスカートを盗撮 27歳男性を逮捕

札幌・中央警察署は、日高町に住む契約社員の男(27)を北海道迷惑行為防止条例違反の疑いで逮捕しました。男は札幌駅ビル内の書店で、20代女性の背後からスマートフォンをスカート内に差し向けたを疑いが持たれています。警察によりますと、店内を巡回していた警備員が犯行を目撃し、そのまま現行犯逮捕したということです。男は調べに対し、「私がやったことに間違いありません。女性のスカートの中を撮影したのはあとで動画を見たかったからです」と容疑を認めているということです。警察は余罪があるとみていて、男が日高町から札幌にきた目的など詳しく調べています。

(札幌テレビニュース 2021年)

盗撮用手提げかばんで盗撮 56歳男性を逮捕

京都府内の駅や電車内で、盗撮用に細工した手提げかばんに入れたスマートフォンで女性のスカート内を動画撮影したとして、京都府警向日町署は府迷惑行為防止条例違反(盗撮)の疑いで、長岡京市の男性会社員(56)を書類送検した。書類送検容疑は、20~50代の女性5人の下着など約40本の動画を盗撮した疑い。向日町署によると、動画は駅ホームやエスカレーター、電車内で30秒~12分間撮影。男性会社員は容疑を認めており、「スマホなどに集中している女性で、周囲の人も寝ていたりする状況を狙った」といい、2019年12月ごろから100回以上やったと話しているという。同署は、ネット上への流出はないとしている。
(京都新聞 2021年)

駅での盗撮の違法性

駅での盗撮は、各県が定める迷惑防止条例に違反します。
ここでは、東京都迷惑防止条例(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例)に基づいて、ご説明します。

第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
(1) 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人 の身体に触れること。

(2) 次のいずれかに掲げる場所又は乗物における人の通常衣服で隠されている下着又は身体 を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し 向け、若しくは設置すること。 イ 住居、便所、浴場、更衣室その他人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる ような場所 ロ 公共の場所、公共の乗物、学校、事務所、タクシーその他不特定又は多数の者が利用 し、又は出入りする場所又は乗物(イに該当するものを除く。)

(3) 前2号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言 動をすること。

上記にいう「公共の場所」とは、道路、公園、広場、、空港、ふ頭、興行場その他の公共の場所(乗車券等を公衆に発売する場所を含む。)をいい、「公共の乗物」とは、汽車、電車、乗合自動車、船舶、航空機その他の公共の乗物をいいます。
駅における盗撮でもっとも多いのは、女性のスカートの中にスマートフォン等を差入れて下着等の撮影をするというものですが、見知らぬ男性に、自分の極めてプライベートな部分を密かに撮影されるということは、これを知った女性を極めて強く羞恥させ、不安を覚えさせる行為といえます。

駅での盗撮事件の裁判例

東京高裁平成21年(う)第833号

【事案の概要】
被告人が、都内の駅構内エスカレーター上において、スカート内を盗撮する目的で、女性の後方から同女のスカートにカメラ機能付携帯電話機を差し入れたとして、迷惑防止条例違反について有罪を言い渡されたので控訴したという事案
【判決】
破棄自判、無罪
【理由の要旨】
被害女性の供述から被告人が盗撮目的で携帯電話機を同人のスカートに差し入れたと推認するには疑問が残り、被告人の捜査段階の自白についてはいずれも疑問がある。被告人が犯罪である証明はないため、無罪。

盗撮事件が駅で頻発する背景

駅は、最も頻繁に盗撮事件が生じている場所です。警察庁が平成25年に公表した警察白書によると令和元年の盗撮の摘発件数は3,953件で、そのうち駅構内での盗撮(階段・エスカレーター、ホーム、その他の合計)は884件に上ります(全体の22,3%)。この数字は盗撮事件が生じる場所の第三位になっています。
駅で盗撮事件が起こりやすいのは、どうしてでしょうか。それは、駅が、(1)盗撮の加害者・被害者となり得る人が多い、(2)盗撮の機会が生じやすい、(3)盗撮の手段となる道具を用いやすい、(4)盗撮をしていることが気付かれにくい場所だからだと考えられます。

(1) 駅は盗撮の加害者・被害者となり得る人が集まる場所

当然のことのようですが、盗撮事件が生じるのは、盗撮を行う男性と盗撮の対象となる女性がいる場所です。男性と女性がいない場所では盗撮事件は起きません。逆に、盗撮の潜在的な加害者となる男性と被害者となる女性が多く集まる場所では、人の少ない場所よりも相対的に盗撮事件が生じやすくなります。
日本は世界に例を見ない電車社会で、駅の利用者数が非常に多いです。とりわけ、朝の通勤・通学ピークの時間帯は、駅のホームや階段・エスカレーターに男女が密集します。これが駅で盗撮事件が頻発することの前提です。

(2) 駅は盗撮の機会が生じやすい場所

平成23年の警察庁の発表によると平成22年の盗撮の摘発件数は1,741件で、そのうちの98%に当たる1,702件が「下着などの盗撮」でした。平成25年の警察白書には盗撮された部位に関する統計は掲載されていませんが、下着など、スカートの下から密かに撮影がされているケースが多いと考えられます。
都市の駅では、ホームから改札、改札から出入り口などを長い階段やエスカレーターで結んでいることが多く、駅は盗撮事件の大半を占める「下着の盗撮」を行う機会が生じやすい場所となっています。駅の盗撮のうち86.4%に当たる675件は階段とエスカレーターで起きており、盗撮の機会を男性に与えてしまう駅の構造が、駅で盗撮事件が頻発していることと関係があることがうかがえます。

(3) 駅は盗撮の手段となる道具を用いやすい場所

駅では、ホームで電車を待ったり、エスカレーターでホームや改札に上ったり、静止する時間があります。この時間でスマホや携帯電話を見るという行動をとるのが一般化しており、携帯電話を操作している男性がいても、それは駅構内の自然な風景です。スマホが普及するにつれ、画像や文字を見やすくなったためか、静止しているときのみならず動いているときでもスマホを操作する人が増え、階段で操作している男性がいても、不自然だと思われなくなってきました。
盗撮の手段となるカメラの機能が付いたスマホや携帯電話を用いていてもあやしく思われないため、用いやすいということが、駅で盗撮事件が起きやすい理由の一つとなっています。

(4) 駅は盗撮をしていることが気付かれにくい場所

前述の通り、駅で男性がスマホを見ることは一般化しています。そのため、女性は、付近の男性がスマホを見たり操作したりしていても、自分が盗撮されているとは気付きにくいと考えられます。また、人が多すぎる環境では周囲の人に無関心になる傾向があり、通勤・通学の慌ただしい時間帯だとますます周囲の人の動きに気付きにくい状況となります。
それゆえ、人で溢れる駅構内では、男性が「盗撮をしても気付かれないのではないか」と思い、盗撮が生じやすくなっていると考えられます。
犯罪学上、「自分の行動が他人に見られているかもしれない」と感じさせることは、人を犯罪から遠ざける、抑止のための有力な方策とされています。しかし、人が溢れる駅は、被害者や周囲の人が相互に無関心で、盗撮に気付きにくい環境であるため、この抑止の力が働きにくいのです。これも盗撮が駅で頻発する一つの理由です。


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